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ブラッシング

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ブラッシングについて

むし歯や歯周病を防ぐには、毎日の歯磨き(ブラッシング)などのケアにより、お口の中の清潔を保つことが大切です。(プラークコントロール)
ご自身に合った正しいケア方法を習得し、毎日の習慣にしましょう。
ケア方法は、年齢やお口の状態などによって適した方法が異なります。
どの方法がご自身に合っているのか、歯科医院で直接指導を受けられることをお勧めします。

歯ブラシの選び方

一般的には「ブラシはナイロン製で形状は平ら」「ブラシの固さはふつう」「ヘッド(ブラシの部分)が小さい」ものを選ぶと良いでしょう。
ヘッドのサイズや柄の長さなどは、お口の大きさ、歯並び、お口の状態などによっても合うものが異なりますので、ご自身で色々と使い比べてみるのもよいでしょう。

「ブラシ」

材質については一般的なナイロン製を選びましょう。豚毛など動物性のものは、乾きにくく、不衛生になりがちなのでお勧めしません。
固さについては、歯肉に炎症などがなければ一般的には「ふつう」が良いでしょう。
「ふつう」では出血するなど、歯肉に炎症がある場合(歯周病の場合)は「やわらかめ」を選びましょう。
形状はギザギザにカットされたものではなく、平ら(フラット)なものを選びましょう。

「ヘッド」

奥歯やお口の隅々まで届くものを選びましょう。お口の大きさや歯の長さなどに応じて、毛束が3~4列のものを選ぶと良いでしょう。

「柄」

断面が楕円形のものが握りやすいでしょう。柄の角度は、奥歯まで無理なく届く形状のものを選びましょう。

歯ブラシは毛先が開いてきたら、新しいものと交換しましょう。
毛先が広がってしまうと、歯垢や汚れを効率良く取り除くことはできません。
目安としては、1カ月に1回、新しいものと交換するようにしましょう。

ブラッシングの基本

基本的な磨き方

歯磨き剤は、泡立ち過ぎないよう乾いた歯ブラシに1.5㎝程度出します。
歯ブラシは鉛筆を握るように持ち、ブラシの毛先が倒れてしまわないよう、軽い力で小刻みに動かして磨きます。
力任せにゴシゴシと磨いても、歯垢を効率的に取り除くことはできませんし、歯肉を痛めてしまう可能性もあります。
磨き残しのないよう、1~2本ずつ順番に、丁寧に優しく磨くことをお勧めします。

うがいとフッ素の効果

フッ素入りの歯磨き剤を使った場合、フッ素の効果を持続させる為、うがいは少なめの水で1~2回程度にとどめておきましょう。
磨いた後は、流水で歯ブラシを丁寧に洗い、水分をしっかりと切って保管しましょう。

歯磨きの時間と回数

丁寧に磨けば、それなりに時間がかかります。
ブラッシングが苦手で面倒だという方も、口腔内で細菌が最も繁殖する「就寝」前だけでも、時間をかけてしっかりと磨くことをお勧めします。
お口の健康を保つ為に、1日3回磨く習慣をつけましょう。

ブラッシング方法

ブラッシング(歯磨き)の方法には「バス法」「スクラッビング法」など様々な方法がありますが、ここでは効率良く歯垢や食物残渣(食べカス)などを取り除く為のポイントをご紹介します。

奥歯

歯垢・食物残渣が溜まりやすい場所

「噛み合わせの部分の溝」「歯と歯の間」「歯と歯肉の境目」

噛み合わせの部分

溝に毛先を当てて、前後に細かく動かして磨きます。

歯の外側(頬側)

歯の表面に直角に毛先を当てて、細かく往復させて磨きます。
また、歯と歯肉の境目に対し45度の角度で毛先を当てて、細かく往復させて磨きます。

歯の内側(舌側)

歯に対して少し斜めにブラシを当て、細かく動かして磨きます。
奥歯の内側は、磨き残しやすいので気をつけましょう。

前歯

歯垢・食物残渣が溜まりやすい場所

「歯と歯の間」「歯と歯肉の境目」「歯の裏側」

歯の表面(唇側)

歯の表面に直角に毛先を当てて、細かく往復させて磨きます。

歯の裏側(舌・口蓋側)

ブラシを縦にして細かく動かして磨きます。

歯の表面側の歯と歯の間

ブラシを縦にして細かく動かして磨きます。
前歯の裏側も磨き残しやすいので、ブラシの角なども使って上手に磨きましょう。

歯磨きのポイント

歯並びが悪い方、矯正器具などを装着している方などは、磨き残しが生じやすいので特に注意しましょう。
歯ブラシでは届かない部分は、デンタルフロスや歯間ブラシなどの清掃補助用具を併用して、磨き残しがないようにしましょう。
正しく磨けているかどうか、最寄りの歯科医院で確認してもらうことをお勧めします。
歯磨きがどうしても苦手な方には、ブラシ部分に工夫がされている専用の「ヘッドが大きめの歯ブラシ」が歯科医院で販売されています。
磨き方やその他お口のケア用品などについて、詳しくは歯科衛生士にご相談ください。

歯磨き剤の選び方

現在、最も一般的な歯磨き剤はペースト状の練り歯磨きですが、その他にもジェル状のもの、液体、粉末状のものなどがあります。
それぞれ、殺菌成分、フッ化物(フッ素)などの薬効成分を含み、その他には研磨剤や発泡剤や香料などを含みます。

歯磨き剤を選ぶポイントと効果

むし歯予防や歯周病予防など、お口の状態と目的によって、歯磨き剤を選ぶポイントは異なります。
むし歯になりやすい方、子供、むし歯予防を目的としているなら、フッ素が含まれるタイプを選びましょう。
歯周病になりやすい方、歯周病予防を目的としているなら、殺菌効果や、歯肉の炎症を抑えるなどの薬用効果のあるタイプを選ぶと良いでしょう。

選ぶ際の注意点

発泡剤が沢山含まれているものは、泡立ち過ぎて磨きにくく、また泡立ちによって十分に磨けたと錯覚し、磨き残しが出やすい場合があります。
また、研磨剤は歯の着色汚れを落とす効果がありますが、あまり沢山含まれると歯の表面に細かい傷を付けてしまい、かえって着色しやすくなる場合があります。
磨きやすさなども含め、どの様なタイプのものがご自身に合っているのか、最寄りの歯科医院で相談されてみることをお勧めします。
歯科医院でも多くのタイプの歯磨き剤を販売しているので、お勧めのものを聞いてみるのも良いでしょう。

歯ブラシ以外のお口のケア用品(補助用具)

歯と歯の間(歯間)などの細かい部分や小さな隙間の歯垢は、歯ブラシでは完全に取り除くことができません。
その様な場合には、各種清掃補助用具を併用しましょう。

デンタルフロス

「糸ようじ」などとも言われる清掃補助用具で、歯間の歯垢を除去することができます。
柄がついたものや、滑りを良くするワックスがついているものなどがあります。
フロスを張った状態で、歯肉を痛めないようゆっくりと歯間に挿入し、歯に沿わせながら引き上げることで、歯間部の歯垢を取り除くことができます。
歯と歯が密着していて、歯間ブラシでは入らないという方にお勧めです。
フロスの使用時に、糸が引っ掛かったり、切れたりする場合は、歯間部がむし歯になっている可能性があるので、その場合は最寄りの歯科医院に相談しましょう。
また、フロスは毎回新しいものと交換しましょう。

歯間ブラシ

歯間の根元の部分に差し入れて、前後に動かすことで、歯垢を除去することができます。
I字型やL字型などのタイプがありますが、清掃場所によってブラシ部分を折り曲げるなどして使います。
また、歯間ブラシにはサイズがありますので、ご自身の歯間の大きさに合った、無理なく挿入できるサイズのものを使うようにしましょう。
サイズが合っていなければ、歯垢を効率的に取り除けないばかりか、歯や歯肉を痛めてしまう可能性もあります。
加齢や歯周病などで、歯間の隙間が大きくなっている方は、デンタルフロスよりも歯間ブラシを使うほうが良いでしょう。
歯間ブラシは歯ブラシ同様に、使用後は流水化で洗浄し、ブラシ部分が痛んだり、ワイヤーが曲がってしまったりするまで、くり返し使うことができます。

タフトブラシ

細めの柄に円錐状にカットされたブラシが植毛された、補助歯ブラシです。
普通の歯ブラシでは届かない隙間や、奥歯の後ろ側などを効率良く磨くことができます。
メーカーによっては、歯ブラシ同様にブラシの固さが異なります。
親知らずがある方、歯並びが悪い方、矯正器具を装着している方などは、特にお勧めです。
ワンタフトブラシも歯ブラシ同様に、使用後は流水化で洗浄し、ブラシ部分が痛むまで、くり返し使うことができます。

洗口液・剤(マウスウォッシュ)

歯垢を落とすことは出来ませんが、歯磨き後の仕上げとして使用します。
殺菌剤が含まれるものは、お口の中の細菌を殺す効果が期待できます。
また、歯科医院で購入できるフッ素洗口剤には、再石灰化を促進する効果が期待できます。
就寝前の歯磨き後などが特に効果的です。

舌ブラシ

口臭の原因のひとつである、舌苔(舌の表面に付く白色や淡黄色の苔状の汚れ)をかき出すことができます。
舌専用である為、優しく効率的に舌の清掃をすることができます。
ただし、舌を痛める恐れがあるので、回数や使用法には注意しましょう。
舌ブラシも歯ブラシ同様歯、使用後は流水化で洗浄し、ブラシ部分が痛むまで、くり返し使うことができます。

この他にも、再石灰化を促進するペーストやジェル、キシリトールのガムやタブレットなどもあります。
どの口腔ケア用品を併用すると良いか、使用方法も含め、歯科医院でご相談されることをお勧めします。
また、歯科医院では各種口腔ケア用品の販売も行っていますので、お勧めのものを聞いてみるのもよいでしょう。